事業案内(専門部会)
専門部会を設置して、それぞれの分野の専門家と住まい・まちづくりに関心のある市民、事業者、NPO等の団体が集まり、地域の問題を解決するための事業を行います。
「まちづくり」は現実の市民生活にどのように関わり、地域社会をどう変えていくかが問われています。言い方を変えれば、その最終目的は我が国の大きな問題である「少子高齢・人口減少社会」に対するソリューションビジネスを創出することにあります。
当協議会では、次世代の住まい・まちづくりについて考え、市民事業や社会事業を創出するために専門部会を設置しました。
都市縮小時代を迎え、越谷市が「住み続けたい魅力あるまち」として生き残っていくために、公(行政)・民(市民、事業者、NPO等団体)・学が協働して、地域資源を有効に活用するシステムを構築します。
景観まちづくり部会
~景観整備機構の指定を受け、エリアマネジメントを推進~
越谷市は平成21年4月1日に、景観法に基づく「景観行政団体」となり、景観法を活用して“越谷らしさ”を活かした良好な景観形成を図るため、景観計画を策定しました。
【景観まちづくり部会】では、この景観計画や景観条例の内容を広く市民の皆さんと共有し、わがまちの景観やまちづくりに対する住民一人ひとりの関心を高め有効に運用されるよう、市の施策や市民の景観まちづくり活動を支援しています。当団体を運営するNPO法人越谷市住まい・まちづくりセンターは、平成24年12月に埼玉県より、平成27年5月には越谷市より、景観整備機構の指定を受けて、良好な景観の育成のため市民支援や調査研究などの活動をさらに拡げています。また、平成22年に設置した「越谷市建築協定フォーラム」の活動を拡大して景観まちづくりや緑化活動等とも併せて、エリアマネジメントを推進します。
住まいのエネルギー部会
~自然エネルギーを利用した市民共同発電所事業~
エネルギーについては、経済性や限りある資源の有効活用、地球環境問題として語られてきましたが、平成23年の東日本大震災・原発事故を通して、エネルギー問題は国や電力会社に任せておくものではなく、国民ひとりひとりが意思をもって解決していく問題であるという認識が高まってきました。
【住まいのエネルギー部会】は、自然エネルギーを積極的に利用するまちの発電所を、市民事業として組み立て、支援していこうというものです。例えば、公共施設の屋根やスペースを借りて、市民ファンドによって太陽光発電パネルを設置。これを売電することによりエネルギーの地産地消を促し、CO2削減に貢献するという「まちの発電所」を事業化する構想です。地域のNPOや企業などと連携して越谷市に適した市民事業を構築します。
農のあるまちづくり部会
~市民や企業が農に関わる、クラインガルテン事業~
越谷市は、都心から25kmに位置する地理的条件を活かして、都市化と自然環境との調和を図りながら、県南東部の中核都市として発展を続けてきました。
市内には現在も多くの農地が存在しますが、後継者不足などの問題で耕作放棄地が増えつつあります。この農地を保全するために、市民農園を拡大し暮らしに身近な農を促進して「農のあるまちづくり」を支援します。
また、食品自給率、地産地消、食育など、農業の次世代を考えなければならない現代、生産者と消費者をつなぐためには、新しい施設やしくみが必要だと考えられます。【農のあるまちづくり部会】では、まちづくりという観点から、ニーズ調査・実地調査などを進め、行政や関係機関に提言していきたいと考えています。
越谷市の面積の半分は市街化調整区域であり、豊かな田園風景が残っています。私たちは、これを魅力ある越谷市独自の地域資産と考え、有効活用を図っていきます。
居住福祉部会
~空き家・空き室を活用再生する新・福祉住宅事業~
少子高齢化社会を背景に、全国各地で空き家の発生が顕著となっており、早急に解決すべき地域の課題の一つとなっています。また、空き家ではないが空室の多い共同住宅や、高齢者の独居世帯で空き室を多く持ち管理に困るといった問題を多く聞くようになりました。こうした問題を空き家・空き室の“利活用”というかたちで解決し、新しい雇用の創出や地域の活性化を実現しているケースが増えています。
【居住福祉部会】では居住福祉という観点から、空き家・空き室等を社会資源と考え、これを再利用して越谷市に合った新・福祉住宅の研究を進めています。ことに広い一戸建住宅に単身居住しているオーナーとユーザーのニーズを結び、シェアハウスなど共助社会における新たな住まい方を提案します。
平成24年度埼玉県共助社会づくり支援事業(新しい公共支援事業)の補助を受けて実施した調査・研究活動では、地元・文教大学(福祉分野)との連携も生まれ、事業の可能性が広がりました。
視察・研修部会
~まちづくりの視察・見学会。情報発信・交流・学習の場の提供~
まちづくりの基本は人づくりにあると言われており、まちづくりの担い手となる人材を発掘・育成する仕組みや、人と人を繋げる場づくりが必要です。
そのため、【視察・研修部会】では、セミナー等の企画を行い、交流・学習の場を提供して、自ら問題解決をしていける経営的市民を養成します。また、行政・市民・事業者やまちづくり活動団体を結ぶ情報の発信・受信や適正な管理を通して、住まい・まちづくり分野のネットワークづくりや仲間づくりの媒体としての役割を担っていきます。
2012年より5年間、広く市民のための「住まい・まちづくり大学」を開講し、まちづくりへの啓発や人材育成に努めてきました。2018年からは、学んだ知識やノウハウを活かし、より実践的な内容とするため「まち蔵塾(こしがや住まい・まちづくり塾)」を実施しています。毎回、住まい・まちづくり分野における地域課題を取り上げ、これを解決するために、講師を招いての勉強会と議論等ワークショップを組み合わせて、地域にあった手法や仕組みを調査研究し、新たなソーシャルビジネスの創出を目指しています。